どこにでも居るような平凡なサラリーマン。
江古 武。
事の始めは、居酒屋で酔っ払い、宇宙仙人(クリエ)を呼び出してしまったのだ。
21世紀人になるために 第一部 参照
宇宙人:クリエ
地球人:江古 武
地球人:三重春代
(待ちに待った給料日。職場の同僚は飲み会を企画。江古武、OLたちに声をかけてもらおうと朝から愛想
をふりまき、率先して仕事をこなす。しかし、気味悪がられるだけで結局誰からも声がかからず、身から出
た錆のサービス残業)
Photo credit:Tokyo 244 / chrisjongkind
レッスン9 エゴをチューンアップするんじゃ
武 ちくしょー!
宇宙仙人の奴、俺が変われば周りが変わるだなんて大ウソじゃねぇか!
どうせダメなものはダメなんだよ。
世の中なんて変わるわけないんだ。
適当に仕事して食って行けるなら、クビになるまでこのままでいてやらぁ!
仙 ふぉっふぉっふぉっ・・・絶望しとるのう。
君のような嘆きが地球上のあちこちで聞えておるわい。
その絶望の想念、波動がどれだけ宇宙に影響を与えているか判らんじゃろう?
武 判りませんよ!
絶望させるようなこと仕向けたのはあなたじゃないですか。
仙 わしは自分をよくしていくように「真剣に」考えなさい、と言ったんじゃよ。
武 努力したけど、女の子誰一人振り向いてくれませんでしたよ・・・(泣き)
仙 情けないのう。
久しぶりに来てみればこのザマじゃ。
だいたい何が「努力」じゃ!
女に早くモテたいという下心から出た努力の、どこが真剣なんじゃ?
それに一度失敗したくらいで君は急に宗旨がえするのかね?
世をスネていた君が、会社という「体制」にやっぱり安住していたいとはのう・・・
武 そうは言いませんけど、いい年してブラブラしてるわけにもいきませんから。
仙 そうやって、社会には従った方が安全、長いものには巻かれていた方が安全・・・
「安定・安全」が君たちの合言葉じゃ!
君たちの人生、その追求にばかり意識が行っておる。
ところが現実を見てみたまえ!
絶対の安定、安全がどこにあるんじゃ?
交通事故も災害も一向に無くならんじゃろうが?
Photo credit:Shinagawa Eki Entrance / 808armada
武 ・・・何だか他人事みたいでピンときませんが?
仙 君とて同類じゃ!
三十過ぎて独身だと世間体が悪いから、早く女の子をゲットしなきゃ・・・これだって安定志向じゃろうが?
受け売りではない、自分で選択した人生を生きてもらいたいんじゃ。
意識の自立を図るんじゃよ!
武 ・・・気づきませんでした。
自分も社会の価値観に染まっていたなんて。
仙 誰でもそうじゃ。
君たちのほとんどが、何らかの社会的価値観を自分のものとして受け入れておるね。
たとえば○○大学の出身だからエライとか・・・およそ君たちの現実に対する反応・感情は、今まで身に着
けてきたものがパターン化されたものではないかね?
つまり幼児期からの色々な体験・経験が今の君の自我=エゴを作り上げてきた・・・
違うかね?
武 もう少し具体的に・・・
仙 小さい頃、車にはねられた経験があるために大人になっても無意識に車が怖い、とか、パワフルな女たち
の一家で育ったために、どうも女性を前にすると引いてしまう、とかじゃ。
この心の反応、つまり「エゴの反応パターン」は「防御反応」なんじゃよ。
自分の身を守るためのヨロイ、道具・・・そうは言えないかね?
武 そう言われれば・・・
仙 このヨロイを着て、何らかの不安や恐怖をもたらすものから感情面で自分の身を守ろうとするんじゃよ。
みんなそうしているんじゃ。
武 そうかなぁ。
ウチの会社じゃ上司はイバってるし、一流大学出身の同僚なんか、恐いもの知らずで大きな顔してますよ。
仙 トンガッておる奴ほど弱いんじゃよ!
「人より劣っている」という劣等感のカタマリの人間が、肩書きにすがってこのギャップを埋め、「中和」して
いるだけのことじゃ。
相手と対等だというひとときの安心感を得たいんじゃよ。
武 なあんだ、やっぱりエゴのヨロイで身を固めていただけなのか。
仙 そうじゃ。
そしてここが大事なところなんじゃが、このエゴのヨロイこそが、やっかいなシロモノなんじゃよ。
エゴは防御の道具にはなっても、自分を変えようとする時、大きな障害になっていくんじゃ。
Photo credit:Ironman / axeman3d
武 エッ、俺のこと言ってるんですか?
仙 君を含め、大半の地球人じゃ。
エゴが無意識的に、君の思考や態度、姿勢を今のままに固定しようとするんじゃ。
君、女の子にモテたいんじゃろ?
武 どうせモテませんよ、フン!
仙 今の君にほほえんでくれるのは飲み屋のギャルくらいじゃからな。
普通の女の子にモテたいんなら、中途半端な「努力」ではダメじゃ。
自分を変えていく術とは、まずエゴ反応していることに気づくことなんじゃ。
これがマスターできれば、君の現実を変える術をマスターしたも同然なのじゃ!
武 ほ、本当ですか!?
仙 保証するよ・・・しかし君も、ニンジンをぶら下げないと動かん男だのう。
ー To be continued ー
解説
Q エゴ反応に気づくことが、自分を変えることと,どう関係するのですか?
自分を見つめ直すとは、今まであなたが「自分」という思い込み、つまり生まれてから今までに身につけてきた
価値観=エゴ(自我)にどれくらい頼って生きてきたかを見直すことでもあります。
[自-他]を分ける感覚はエゴの性質上、やむを得ない側面があります。
しかし、このエゴを暴走させた結果、あの人と私は違う、性格が違う、性別、歳が違う、という具合に、違っている
点を無意識に強調して考えるクセが身につくと、やがて対立、争いへと発展します。
人種・民族差別がよい例ですが、その元には「嫌悪感」があります。
あの人は汚い、馬鹿だ、いつもいやがらせする、といった思い込みから、自分の意識や現実に、他人を寄せ付け
ない境界線をつくり、殻の中に閉じこもってしまうのです。
Photo credit:War! / jugbo
心では誰も争いごとはしたくないと考えているにも関わらず、これほどまでに世界中で紛争や虐殺が起こって
いるのはなぜでしょうか?
それは皆さんが、思い込みのままに行動してしまうからです。
たとえば職場で気の合わない、嫌な上司がいるとします。
この上司を前にするたびに、あなたのエゴは、彼をネガティブに解釈するパターンを記憶していきます。
その結果、エゴはあなたに「あいつは俺を嫌っている」という想念を送り続けます。
するとあなたはその想念を真実だと錯覚し、しまいには「奴を排除してやりたい!」というところまでエスカレートするのです。
実際、上司はあなたを嫌っているのではなく、ただ口うるさいだけかもしれないのです。
戦争にいたる背景も、およそこんなものです。
想念と現実のギャップをこのように観察してみると、自分を苦しめていたストレスのほとんどが想念によって与
えられた「幻」であることに気づくはずです。
また、この想念の仕組みが段々理解出来てくると、相手も自分と同じく、ただエゴ反応にふりまわされて行動しているだけだということにも気づきます。
皆それぞれ違っていて当然なのです。寛容になってお互いを認め合うこと・・・その違いを「許す」ことが必要です。
Q エゴ反応をなくすにはどうしたらいいですか?
人間のエゴ(自我)とは、言い換えれば防御本能です。
あらゆる危険から自然と身を守るように働きます。
危険から身を守るのであれば当たり前と言えるかもしれませんが、その本能、仕組みが人間の変化、進化を妨
げている側面もあるのです・・・ちょうど、今の日本の官僚機構のように。
本来防衛の必要のない場合や場面で防御本能が働く、つまり何でも排除しようとする過剰防衛に傾いてしまう傾向があるということです。
「エゴを無くしなさい、捨てなさい」などと言っているのではありません。
そもそも完全に無くすことなどできないのです。
エゴ=防御本能自体は、何も無駄なものではありません。
Photo credit:Protecting the Sunrise / nevilleslens
ただ、これからの時代には性能が古すぎる、というだけのことです。
エゴはあなたの性質を知り尽くしていますから、「もう要らない」とゴミ扱いされた場合、生存を賭けて、どんな手
を使ってでもあなたの変化を妨げようとします。
がっちりガードするのがエゴの宿命なのですから.その巧妙さには身震いしますよ!
新しい時代に向けて、心、つまり自我(エゴ)をチューンアップして欲しいと思います。
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ひさびさに、江古 武の登場です。
物語を読んでいく内、改めてエゴとは上手くできていると思います。
何度もお話している様に、エゴは自分を守る防御システム、反応です。
小さい頃から、いろいろな出来事やその体験によって育ってきたものです。
こんな時はこの反応、その時にはその反応という様にエゴが自然に反応しているのです。
なので、無くてはならないものですが、その反面いろいろな障害も複雑につきまとう。
反応といっても単純なものではなく、人間は考える力、知恵や理性もあるのでそこに葛藤やらが生まれてきます。
私的には、よく言うパニック障害や恐怖症なんかも、これのバランスがくずれた結果の様な気がします。
私も学生の頃から結構上がり症でして、人前でスピーチしたり発表したりするのが大の苦手でした。
とくに、ヤバイのは順番を待つ時間です。
突発的に◯◯をみんなに説明して下さい。
などと、急に会社から頼まれるのは、全く動じないのだが、改めて◯◯時に説明して下さい、と予定に組み込まれると、もうダメです。
その時までの時間にいろいろな事を考えてしまい、普段より速い心臓の鼓動を感じてきます。
Photo credit:Clagett Farm Share October 26 and 30 / krossbow
「説明なんて大した事ではない」
「相手は人間ではなく大根やキャベツなんだ」
と言い聞かせても、結果的にはダメで説明は上手くいきません。
普段の半分以下の実力しか出せず、グダグダの説明で終ってしまう。
これもある意味恐怖症です。
しかし、これも逆に体験といえば貴重な体験なのですが…。
これを何とか克服したいと考えたのが、バンドでした。
不思議と自分の心底好きなものに専念すると、あまり周りを感じなくなる。
全く感じないかと言われれば嘘になりますが、説明やスピーチなどと比べるとほとんど感じない。
確かに自分一人ではなくメンバーと一緒だ、というのが大きいと思うが。
それこそ周りは大根やキャベツに見えて、気持ちに不安恐怖を感じない。
待ち時間もさほど緊張せず、普段と変わらないのが分かるのです。
逆に、もっと演奏したいって思う。
また、脱線してしまいました。
以前の記事、ア・ランさんもまた、同じ様なことを話していました。
人間は反応する。
話し方は全く違いますが、人間は反応するものだということです。
そしてその反応するものはエゴ意識であり、自分と認識している今の自分です。
Photo credit:Clagett Farm Share October 26 and 30 / krossbow
反省点は、人前での報告やプレゼンテーションで想念観察をやってもダメだった。
チョット…、この間もそうだったんですが、流れた想念を目だけになって流しても、どうしても流しきれなかった。
その時間まで心臓の鼓動がおさまらず、普段より速いままだったんですよね。
その体の反応が、また気持ちを荒立たせ、目一杯緊張し結局上がってしまった。
観察で高所恐怖症や閉所恐怖症はある程度大丈夫だったんだが…。
この上がり症は、やっぱ場数ふまないと治らないのかねぇ。
誰か良い方法を知っている人は教えて欲しいところです。
続きは次回に
※記事中の<Kさん>のお話、あるいは書物などの転載内容は、ほんの一部分です。
興味のある方、詳しく知りたい方は、FUJI日本のホームページをおすすめ致します。
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想念観察を広めるグループ!FUJI日本